【写真展を見る】いい写真展 8つ要素(1/2)

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うみカメラマン むらいさち 氏の主催する復興支援イベント 心に花を*フォトプロジェクト に関連して ココハナデイ 押忍!体育会系写真展巡り を開催しました。

半日で14の写真展を巡るため、各会場間を早歩きで移動し忙しかったですが、その勢いに任せて普段声に出さない事を率直にお伝えするいい機会になりました。

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いい写真展とは?

皆さんは写真展でどんなところを見ているのでしょうか?それはソクラテスの弁証法・問答法のように個々の意見はあっても集約できる答えのないものかも知れませんが、ぼくが思う「いい写真展」の要素をいくつかピックアップしました。

 

1.いい写真展は「作例展ではない」

写真表現を目的とした展示である場合、機材は表現をするための通過点手段でしかないのでカメラ・レンズ・プリンター・プリント用紙、その他シャッタースピード・絞り値などを記述する必要はないと思います。それらを会場内のワードに掲げることで、本来の表現が薄まってしまうもしくは目的が散漫になってしまう恐れがあります。

それら機材名や撮影設定の書いてある展示は、自己満足のためなのではないかな?と会場で疑問に持つことが多いですが、オールドレンズ・クラシックカメラや古典的プリント技法を使った写真展では機材名や技法に関する情報は必要になってくるでしょう。

むやみに情報が多ければいいと言うものではなく、目的に応じた情報を掲載する必要があるようです。

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2.いい写真展は「空間をつかっている」

写真展というとプリントしたものを額装して、壁に掲示することをイメージします。でも内容や目的によっては額装せずにプリントをそのままをピン止めしてもよくて、写真の設置場所は壁でなく床や天井でも写真展は成立するはずです。そもそもなぜ壁を使うのか?もっと効果的な方法があるのではないか?と掘り下げてみるのもいいと思います。

もちろん壁の見やすい位置に作品を掲示することは来場者に対する、ホスピタリティかと思いますが、写真はこうあるべきということに縛られている可能性があります。

写真展の多くは四角い部屋で、入り口からみると右手・左手・奥に壁があります。入場してまず最初に目に入るのが奥の壁にある作品ですが、それら位置関係を使って作品の強弱ストーリーなど効果的な意味合いを持たせることが出来るはずです。

また、フォトニコでは、壁のない鉄パイプのフロア(4F)や真っ暗なフロア(5F)を積極的に使って欲しいと出展者にお伝えしているのですが、壁のないところで工夫して展示することで新しい見せ方・考え方に気づくかも知れませんし、シンプルな仕組みを使って作品に方向性を添加させることができます。

真っ暗なフロアはスポット照明をつかっても暗く、一歩前に行かないと作品が見づらいですが、それは普段ない距離を作り出す可能性があるはずです。見えなくすることでより見せるという方法もあります。

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3.いい写真展は「社会性を伴う」

社会性のある作品は独特の強さがあります。これは数多くある写真表現の中で夢のような世界を作り出している作品の対比になりますが、社会性のある作品はもしかしたら隣で起こっているかもしれないという事実があり、見ている者を強制的にその作品に隣り合わせにする力があります。

社会性のあるものは時間が経つことで意味合いが変わる可能性がありますが、戻ることの出来ない過去を含み、道標となります。

 
今回の写真展巡りで一番印象に残ったものは、プレイスMで開催されていた 斉藤秀之「岸のない川」“flow” です。

通勤ラッシュの駅構内やイベントなどの人の流れをスローシャッターで撮り続けたもので、たどり着くことのない(目的のない?)流動物として人々を捉えています。シンプルな手法ながら誰をも巻き込む現実味があることと、特に海外では新鮮な絵柄として目に映ると思います。

そしてその視点とともに「岸のない川」という詩的かつ内容集約されたタイトルがカッコいい!切れ味抜群の写真展でした。

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4.いい写真展は「覚悟がある」

ポートフォリレビューで太田 菜穂子氏に Born Good を見てもらう機会がありました。この作品は3年前から撮り続けているものが事故や政治的要因でその意味合いが変わっていったというものです。変化のあった前から撮り続けているという事実が強みでがあり一連の出来事と一生共にする覚悟があるなら、つまり今後も取材を続けていくなら昇華していくというアドバイスをいただきました。

そして、多くの写真作品受賞者はテーマというべき長期に渡る取り組みも含めて評価されていて、太田 菜穂子氏は興味・執念のようなことを含めて「覚悟」と表現したのだと感じています。

一方、物珍しい場所やシーンに1・2回行ってうわべを撮ったものは見たら分かってしまいますので、それを「私の作品です!」と公にするのはちょっと恥ずかしいことなのかなと感じています。

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>> 【写真展を見る】いい写真展 8つ要素(2/2)

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