【話題】2018年のプリツカー賞はバルクリシュナ・ドーシ氏。インド人で初の受賞

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 2018年3月7日、2018年のプリツカー賞が発表されました。なんと今年は初めてインド人で初の受賞者が誕生しました、バルクリシュナ・ドーシ(Balkrishna Doshi)氏です。

 ドーシ氏は現在90歳で、建築家歴70年という活ける伝説のような方だそうです。1950年代にはル・コルビジュエ氏の事務所で仕事をした経験もあり、つまり愛弟子であるということですね。

Balkrishna Doshi (photo courtesy of VSF)

 今まで受賞してきた建築家は、誰が見てもワーと驚いたり感動したりするような見栄えのする代表的建築物をいくつか残してきている方がほぼ全員だったかと思いますが、ドーシ氏はそれとはちょっと異なります。
低所得者向けのローコスト住宅や公共施設を数多くの実績を母国インドに残してきた、社会に対する大きな貢献の評価もあるみたいです。

 数年前までの審査基準って客観的に見ていると『どんだけ世界中に派手な建物を造ってきたか(この私の表現に悪意等は一切はありません。)』なのかな、と思うところがけっこうあったのですが、最近は社会的な貢献度などの観点も考慮しているようです。派手な建築とかだとどうしても先進国の建築家しか選ばれませんから。しかも使いにくくて、カネばっかりかかって、誰も喜ばない。
 この点はとても大切ですよね、人間の生活において『食』の次に基本的要素が『住』だと言えますから(『衣』は最悪なくてもいい…)、それさえ十分に得られない貧困者などに対して「どうすれば『住』を伴う人生を送らせてあげられるか」という点を考え行動することはノーベル平和賞とかと同列にしていいくらい重要な観点です。プリツカー賞も進化し続けていますね。

 ドーシ氏は西洋で建築の習得し、人生観や東洋文化、そして自然の力に深い敬意を払いつつ自身のビジョンを確立しき、自分の過去の光景、音、思い出を織り交ぜた建築物を創り出していった点が作品に現れていて、インドの歴史と文化に敬意を持ちながら活動を続けている点が素晴らしいですね。


経歴

 1927年8月26日にインドのマハーラーシュトラ州、プネー県で生まれ、2世代にわたり家具業界に携わってきたヒンドゥー族の一家に産まれました。若いころから芸術の才があったそうで学生時代に恩師から建築家を勧められたのがきっかけだそう。
 1947年に建築家を志す決意をし、インド最高難易度のSir JJ College of Architecture, Mumbaiに進学します。Royal Institute of British Architects王立英国建築家協会への加盟を夢見て船でイギリスへ渡り、その後フランスへ渡ることになります。フランス語は全然話せなかったそうです。1954年にル・コルビュジエの事務所で働く機会をえて精力的に仕事をこなします。
 1962年からは、ルイス・カーンと協力してアーメダバードにIndian Institute of Management, Ahmedabadインド経営大学院を手がけます。

 その後の活躍はめざましく、国内外で高く評価されていきます。


受賞、経歴など

 公式サイトのバイオグラフィで紹介されたものをピックアップしただけでもものすごい数の賞とともに、フェロー(研究職)や客員教授などとして教鞭をとってきている事がわかります。これほど積極的に取り組む方は

  • フランス芸術勲章勲章(2011年)の役員。
  • 持続可能な建築のための生涯達成のためのグローバル賞
  • フランス、パリのフランシス・ドゥ・アーキテクチャー(2007年)
  • 首都圏都市計画とデザインの優れた国家賞(インド)(2000)
  • フランス建築学院(1988)金メダル、
  • アランヤ・コミュニティ・ハウジングのアーガ・カーン賞(1993-1995)ゴールドメダル、
  • インドの建築家協会(1988)
  • 英国建築家の王立研究所とフェロー。
  • インドのパドマシュリー国家賞(1976年)
  • インド建築学者のフェロー。
  • アメリカ建築家名誉フェロー。
  • ユネスコ(1995年)と共同で国際建築家協会が主催する建築家教育国際憲章作成のための国際委員会のメンバー。
  • 米国ペンシルバニア大学(1990)
  • McGill大学 カナダ(2005)。
  • マサチューセッツ工科大学客員教授。
  • 2005年から2007年の間、実はプリツカー賞の審査員もされていたとのこと。



書籍

 日本語の出版は皆無のようで、A+Uのドーシ特集くらいしかないみたいです。

   


作品

 今年から画像をダウンロードできるようになっています(Images for Download)。
 利用できる条件は「『ドーシ氏が2018年プリツカー賞を受賞した』という内容の記事に限る (These images may be downloaded and distributed only in relation to the announcement of Balkrishna Doshi being named the 2018 Pritzker Architecture Prize Laureate.)」です。守りましょう。
 図面とかは800万画素くらいあってかなりの高解像度です。逆にこうやってむちゃくちゃ高解像度で公開されると要らないもんですね。(あ

Indian Institute of Management, Bangalore (photo courtesy of VSF)

Institute of Indology (photo courtesy of VSF)

Indian Institute of Management, Bangalore (photo courtesy of VSF)

Institute of Indology (photo courtesy of VSF)

Indian Institute of Management, Bangalore (photo courtesy of VSF)

Institute of Indology (photo courtesy of VSF)

Indian Institute of Management, Bangalore (photo courtesy of VSF)

Institute of Indology (photo courtesy of VSF)

Indian Institute of Management, Bangalore (sketch courtesy of VSF)

Institute of Indology (sketch courtesy of VSF)

Sangath Architect’s Studio (photo courtesy of VSF)

https://www.pritzkerprize.com/sites/default/files/inline-images/Indology6.jpg

Kamala House (photo courtesy of VSF)

Sangath Architect’s Studio (photo courtesy of VSF)

Kamala House (photo courtesy of VSF)

Sangath Architect’s Studio (sketch courtesy of VSF)

Kamala House (photo courtesy of VSF)

Sangath Architect’s Studio (drawing courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Sangath Architect’s Studio (plan courtesy of VSF)

Sangath Architect’s Studio (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Vidhyadhar Nagar Masterplan (drawing courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Vidhyadhar Nagar Masterplan (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (photo courtesy of VSF)

Centre for Environmental Planning and Technology (photo courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (drawing courtesy of VSF)

Life Insurance Corporation Housing (photo courtesy of VSF)

Life Insurance Corporation Housing (photo courtesy of VSF)

Life Insurance Corporation Housing (sketch courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (sketch courtesy of VSF)

Life Insurance Corporation Housing (sketch courtesy of VSF)

Aranya Low Cost Housing (drawing courtesy of VSF)

Premabhai Hall (photo courtesy of VSF)

Premabhai Hall (photo courtesy of VSF)

Amdavad Ni Gufa (photo courtesy of VSF)

Premabhai Hall (photo courtesy of VSF)

Amdavad Ni Gufa (photo courtesy of VSF)

Premabhai Hall (photo courtesy of VSF)

Amdavad Ni Gufa (photo courtesy of VSF)

Premabhai Hall (photo courtesy of VSF)

Premabhai Hall (photo courtesy of VSF)

Amdavad Ni Gufa (photo courtesy of VSF)

Premabhai Hall (photo courtesy of VSF)

Amdavad Ni Gufa (photo courtesy of VSF)

Premabhai Hall (sketch courtesy of VSF)

Amdavad Ni Gufa (photo courtesy of VSF)

Photos from Pritzker Prize




参考サイト

Balkrishna Doshi Biography – The Pritzker Architecture Prize
・http://www.decn.co.jp/?p=98101
・https://www.cnn.co.jp/showbiz/35115821.html


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