【撮影】どの位置から撮れば最高の反射が得られるのか

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 素敵だと思える写真には、いい明暗があり、その中でもいい反射が度々収められています。結構CGなんかでも極端に眩しい絵の方が第一印象はかっこいい。逆にトーンが一定なのっぺりした絵が一番感動しない、と思う。
 その写真を生み出す物体こそ太陽であり、太陽光によってできる白飛びするほどの明るい箇所と、黒潰れするほどの暗い箇所こそがコントラストを生み出します。その明暗をきっちりコントロールして画角に落とし込むことは困難かもしれません。光はおてんばなのです。でもこのおてんばさんががある程度思い通りに行くと写真撮影はもっと楽しくなるかもしれません。
 
 写真に収めるにあたり効果的な自然現象のひとつとして『反射』があると思います。細かく言うと2種類あると言えます。

  1. 鏡面反射
  2. オノマトペ的にいうと「ツルツル」。UE4とかのPBRレンダラだとRoughness値が低い(=ツルツルな)面で見られます。
    鏡や自動車のボディは光を返すと同時に象も綺麗に見えます。

  3. ハイライト
  4. 鏡のように像は出ませんが、とにかく反射はします。
    例えばプラスチックのおもちゃ等の角は写真に撮ると白くなります。
    種類によりますが葉っぱも実は結構反射しています。天気のいい日に撮ると真っ白になったり。ただしご想像の通り表面自体はザラザラしていますので鏡面にはなりません。

   
 今回考えるビルの反射は1.に相当します。窓ガラスはツルツルしています。

 Details of Rikkyo University, Morris Hall (立教大学 モリス館)   Metallic 100% balls in 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa (金沢21世紀美術館) 
眩しいやつの例 反射の例

 以下は建築のCGパースの例です。わざと太陽の反射が写るようなアングルでレンダリングするものです。このように反射は与える印象の中でも重要であることがわかります。


Image by Design And Architecture Senior High


Image by Pinterest

 本題に戻りまして。
 じゃあどこから撮れば思い通りに反射を撮ることができるねのでしょう? という話になります。登場人物は3つです。

  1. 被写体の建物
  2. 反射を生み出す
  3. 撮影者(私)

です。このとき①建物と②光の位置が決まれば③自分がどこから撮れば良いかが求まります。


やってみよう

 都内のビルでよく反射するビルは沢山ありますが、豊洲フロント・豊洲フォレシア・豊洲キュービックガーデンの3つのビルが並ぶ晴海通りエリア(豊洲2丁目)で考えてみることにしましょう。場所的にはこのあたりです。
 

 このビルに太陽の反射を含めた画を撮りたいと思っているとき『何時頃にどこからシャッターを切れば太陽が反射している画を撮れるのか。』という話になります。

 まずパッと見で理解できることは、

  • 北側に立って、南向きに撮れば良さそう
  • 南側(=豊洲駅側)から撮れば、太陽と同じ向き向いているのですから(=順光)、反射は絶対撮れません。

  • だいたい午前10時頃以降に北側から撮れば反射が撮れそう
  • 実際に撮影するとなると基本的には歩道からの撮影となるでしょう。となると、画角の都合上晴海通り西側の歩道から撮ることになります。
     建物の位置は決まっていますから、あと撮影時間を決まれば撮る位置が確定します。

 これを図にしてみると、以下のようになります。
   オレンジの線 : ビルの左端に太陽の反射が見えるギリギリの位置。
   水色の線   : ビルの右端に太陽の反射が見えるギリギリの位置。
 つまり、点P1と点P2間の赤い線のどこかから撮れば太陽の反射が撮れます。(違う言い方をすれば「赤い線以外から撮れば反射は入らなくなる」。)


理屈どおりにいくか確認する

 ということで実際にUE4で再現してやってみました。理屈どおりにいきます。これがわかると、

  • ビル壁に太陽の反射が写った写真が何時にどこから撮ればいいか。
  • 逆に、反射は一切ないけど影にならないビル写真は何時にどこから撮ればいいか。

が予め把握できます。要は行く前に撮るのです。

 いくら反射した太陽だとは言っても光の強さは直接光と同じようなもんですから、逆光に弱いレンズ等で撮影しようとすると辛い時があります。最終的には撮りたい画のイメージに沿う一枚をうまく撮りたいものです。

 ではでは。行く前に地図で建物の①撮る予定の方角を確認して、②最適な天気と時間の条件を満たす時に行きたいものです、というお話しでした。

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